マガジン３０号！ - 綾峰欄人の日記

マガジン３０号裏話です！
今回のシリーズ的に本当にアシさんの力が発揮された仕事です！
正直それにつきますね（＾＾；

今回のテーマは理解的な愛。
最近分けの解らない事件が多い中、人の心はなんなのだろうと考えることが良くあります。
青樹さんとも話していて、言われたことですが、
犯罪を犯す人、悪事を働く人。悪いことは悪いですし、
それを楽しみとしている人は論外なのですが、
果たして自分のした行いをどう思っているのだろうか・・・
子供の時は悪いことをして、起こられると
ごまかしたり、嘘をついてみたりするんですけど、
そんなときは罪悪感が残っちゃうんですよね。
何か心がもどかしくなって、後ろめたさで、また嘘をついたりして
気がついたら、自分が何がしたいのか、どう思ったかを表現できない大人になっていたりして・・・
夜半に求めた所にはそんな感情があります。

素直に謝ることが出来た時は、逆に後腐れなくその先にいけたりするんですけどね。
誰にもいえない気持ちというのは、気がつけば自分自身にも言えなくなっている。
取り繕うことを自分にしてるから、現実と理想の違いを認めることが出来ない。

まあそれを踏まえた上での今回の裏話です。
今回のオープニングは前回の母様から。
鳳凰飛翔。ネームはこっちが正しいんですよね・・・
前回がミスってたのを誰も気づかず。単行本で直します（−−；

鳳凰飛翔は意思を持って飛ぶ・・・慈悲の心と命の炎が見せる技。
攻撃の技ではないです。どちらかというと回復系ですね。
弦の紡ぐその鳥に包まれ、共鳴で起こる音色により、そのものの精神に呼びかける技です。
『癒しの音楽』というものがありますが、まあそんな感じですかね。
今回これ書いてて思ったのが、音色の技はこれが始めてかな？
今更ながらに、表現が鳥の絵に終始してて、音色を入れればわかる技なのに・・・と、
後悔してます（−−；

夜半の本当の願い。
夜半は滅びを望んでいると言います。これは上に書きましたが、
夜半にとってずっと自分の本心を偽り続けて出来上がった、思い込みの感情なんです。
まあ自己暗示の世界ですね。
滅びることで、自分は開放される。それが世界の正しさでもある。
無限城の神と、自分の思いの利害が一致したからここにいる。
この戦いは正統なる裁きなのだ！！
と、言うのが自己防衛の中で生まれた夜半の思い込みの本心です。

ですが、鳥の姿に紡がれた琴の音色が過去を遡らせ夜半の新の本心を導き出します。

風鳥院最後日。
７年ぶりに再会する母。夜半は母にたった一度だけ本心をこぼします。
愛すること・・・
夜半にとって、愛がなんなのか理解が出来ていないと思います。
ただ、愛という言葉への憧れと渇望だけがそこにあるのです。
ですが、目の前で再び父に否定され、母に可哀想だといわれる夜半。
母は夜半に生きることを望み、
父の本心は裏に生きることを強いらせたとはいえ、聖痕の呪いに縛られること無く
強く人の道を歩んで欲しいと願ったのです。
だが夜半は聖痕の囁きに導かれ、風鳥院を攻めた・・・
父も母も、一族を守るために夜半と闘わなければならない。
それが当主としての勤めだからです。

黄泉へ送るべきだった・・・
父は夜半に殺されることを受け入れます。
言葉のたらなさ、思いのすれ違い、聖痕があるがゆえに全てが歪んでしまった一族の末路。
夜半は理解が出来ぬまま、ただ母の躯を抱きしめます。

再び望みを聞かれる夜半は、死を望みます。
これは罪の意識からくる、自分が受けなければならない断罪の思いです。
花月はその違いを問います。
そして、聖痕により見失っていた思い。
十兵衛、祭蔵に言われた言葉を伝えます。
花月の思い・・そして、鳳凰の共鳴は真の両親の言葉を伝え、
本当の夜半の願いの答えを導き出すのです。

夜半の願い・・・それは謝りたかった。

なんだ・・・と思う人もいるかも知れませんが、
人間の純粋な思いというのは、何も飾られていない言葉なのだと思います。
それは青樹さんの込めた夜半に対する愛情なのだとも思います。

その思いにより、聖痕ののろいは消えていきます。
聖痕が何なのかの複線でもあるんですけどね（＾＾；
和解をした二人は天を駆け、十兵衛の胸に埋め込まれた弦の芽も消えていきます。
天を駆ける流れ星を見つめる銀次だけがその最後の思いを知るのです。

夜半の回は、本当に色々あって、ブログを書いてて改めて思い起こしたり
伝えたいことが色々あったのですが、この場で補強という形になってしまいました。
まあ思いの丈を描きすぎると想像のラインがなくなるし、
説明くさくて面白さがなくなるし・・と判断が難しいコトが続きました。
まだまだだな・・・と思いながら、もっと精進を重ねようと思いましたよ。
まあ毎度の事ですけどね（＝＝；

来週はちょいとエピローグが一瞬と、話の急展開の開始です！
お楽しみに！