漫画家のきっかけ・その6

東京に雪が積もりました!
朝起きるとシンとした寒さ、窓の外はちらちらと
ボタン雪の姿が・・・
外は真っ白な銀世界。
出ると、親子が雪遊びをしているのが見えて
ほのぼのと微笑ましく思いました。
これぐらいの雪だと良いんですけどね・・・


今日からセンター試験ですかね。
ニュースで頑張る学生さんの姿を見て、気持ちに力が入ります。
受験生頑張れ!応援します!



綾峰は進路を自分の中で決めていたので、
センター試験は受けませんでした。
今にしてみれば経験上、受けていれば良かったかな・・・


パームに衝撃を受け、漫画家になることを信念に活動し始めた綾峰。
絵を描き始めた頃に考えていなかったわけでは在りません。
迷いはありました。
絵を描きながら、出来上がらない漫画の数々。
描き上げてもその後どうすればいいのかも解らず、
見返しては、ここがダメだ、あそこが甘いと描き直す日々です。
友達に見せると、クラスの友達に見せても
お前のキャラはここが変。喋ってる様に見えないと駄目出しされ
悔しくて何度も描き直していました。


でも、パームを読み人生観が一気に変わった綾峰は
漫画の研究を始めます。
絵は描けばいつか巧くなる・・はず!
まずはストーリーを伝えるためのコマワリを学ぼう!
と、我流ながらも始めます。
大体何コマで話を繋いでいるのか、重要なシーンは何処に配置しているのか。
展開はどのぐらいでするのか、メクリはどう使うのか?
見開き、大ゴマの効果の使い方。


全て我流で探していきます。
当時は漫画ブームがあったので、雑誌などにも漫画の描き方や
NHKで、少女マンガの描き方などの番組がしていたので
見ては頭の中にいれ、自分の漫画に照らし合わせます。
一度は一つの話を、10回ぐらい全て描き直し。
でも頑張りがずっと続くワケではありません(−−;


絵の空間に入れ方が解らない。
キャラの絵がプロと違いすぎる・・・
自分はこの程度しかかけないのか?


悔しくて手を止め、漫画を読み時間を潰したりもしました。
絵を描くのが怖くなり、何度も原稿を破り、何もしない日も多くあります。


高校生活の中で、文化祭時に科学部の冊子を作ろうということになり
表紙を書きました。
体育祭のクラスの応援看板もも自分の描き方で書いてみました。
巧いねと褒めてくれる人もいましたが、
周りに向けて見せる感覚で自分の中で、
これでは駄目だという気持ちが膨れ上がります。


人に見せるときが一番自分の評価がわかりやすいんです。
自分でこれは凄く出来たと思っていても、他人の目に映ると
人を惹きつけるものではないと解ってしまします。
友達は巧いと褒めてくれます。
でも、本当に面白いもの、楽しいものを見たときの反応が違うんだと思いました。
漫画を食い入るように見る友達の目、話すときの顔。
自分の絵を見てくれているときの反応の違い。
褒めてくれて嬉しかったです。
でも、違う・・・


ストーリーというほどのストーリが描けていた訳ではありません。
でも伝える絵になってない。
パームで読んだあの感覚が自分の心の中に巣食っています。
色んな漫画を読みました。
本棚が漫画で埋まっていきます。
自分の好きな漫画を何度も読み直し、友達の言葉が心にもたげます。
お前の漫画は喋ってるような感じがしない。


表情だ・・!
綾峰の好きでハマる漫画はみんな生き生きしています!
生きている感じ。
そうだ・・漫画の中にいても彼らはこの中で生きているんだ。
彼らは何を考えこの台詞を言ったんだ?
どんな表情をしていた?

漫画を取り出し、自分の好きなシーンの表情を引き出し
何度も模写します。
台詞を自分の中に何度も唱えながら
はまり込んでいくうちに、涙を流しながら描いているときもありました(^^;


でも原稿はいまだとして完成をしない。
完璧主義なところがあったんだと思います。
人に見せるものはプロと同じものでなくてはいけない!!


でもこれって今考えると間違いなのかなと思います。
漫画家になれたから良いものの、
周りに聞くと、とにかく上げるのが一番だよと言われます。
そうなんですよね・・・
漫画を見せるためには言葉なんかじゃなく、漫画そのものが必要なんですよ。
俺はこんな凄いことを考えていると、言葉で言っても
漫画がなければ、それが面白いのか、面白くないのか
あっているのか、あってないのか
誰も判らないんですよね・・・(−−;


でもそんなことは知らずに、我流の道を突き進みます。
何も知らないのはある意味無敵です。
タブーも何でもやっていきますからね(^^;
本当に漫画を知るのは、後になるんですが・・・
この頃の綾峰は、とにかくプロと同じものを描かなければ認めてくれない
という脅迫観念に捕らわれていました。



でも漫画家になるのは心に決めていた高校生活。
学校の先生は、成績が思わしくないと心配してくれていました。
学校では赤点が多くなり、進級が危ぶまれ
毎度のことながら再追試です。
クラスではどうだったんでしょう。
目立たない子だったのかな?
担任が、お前はクラスにいて、友達と遊んでる雰囲気もないし、
クラスにいても、何か馴染めてないような期がするので心配だ。
まあそんなことを言われたので、はたから見るとそうなんだと思います。
なんせ、進学校
周りは勉強をする人たちです。隠れオタクの綾峰は会話に参加できません(−−;
でも高校は科学部があります。
名ばかりですが、その日その日は楽しい先輩や、後輩に恵まれ
学校に行くのが楽しかったですよ。


綾峰が高校二年の終わりに差しかかると、先輩は受験モードに入っていきます。
大学に進学する先輩。就職する先輩。
部活の中にも、跡継ぎの流れや、みんなバラバラに
なっていくんだという意識が芽生えます。
こんなに楽しい所はなかったです。
でもやはり考える時が来ました。
綾峰の中にはすでに漫画家という気持ちはありました。
でも投稿したことがない・・・
怖いと思う気持ちがありました。
でも、漫画家にはなるという変な思い込みがあったので
見ていてこいつ大丈夫か?と思われて仕方がなかったと思います。


漫画家になると決めたとき・・・
母に言ったことがあります。
「俺、お母はんらの面倒見られんと思う。俺が生まれんかったことにしといて・・」
自分で漫画家になるというのは、まだ怖くて言えませんでした。
駄目だといわれるのが怖かったんだと思います。
そんな事言う母ではないんですけどね(^^;
でも、まだ怖かった・・・
なるという信念はあっても、それは言葉にすると壊れそうだから言えなかった。
綾峰は言葉べたで、巧く伝えることが出来ません。
でもその時が、自分の中の精一杯の勇気でした。


母は笑っていました。


綾峰は言った後、いけないことを言ったと思い少し恥ずかしくなりました。


高校生活の流れに話しは戻ります。
落ちて落ち込む先輩。受かって喜ぶ先輩。
この頃、将来のことを部活で話したかもしれません。
クラスには何も言ってません。担任も知りません。
漫画家になるといっても、出来上がったものは何もありません。
絵はたくさん描きました。
でも、成りたいものの原型は綾峰の心の中にしかありません。
ただのワガママなのかもしれません。


3年の進級時、相変わらず赤点で、進級テストを受ける羽目になります。
テストは出てきたものばかりなので、楽に取れるんですけどね。
そういえば、高校は理数系と文系とに分かれる選択がありました。
漫画家を目指す綾峰は、文系を取りました。
まあ、文系のほうがテストが少ないという
先輩の言葉が頭にあったのもありますけどね(^^;


ちょいと、小学時代の苦い思い出もあっての事です。
小学4年の参観日。
そのときは国語の時間でした。


授業は教科書を読み、その主人公が何を考えていたのか答えなさいというもの。
タイトルは忘れたけど、
海賊の親子のお話です。
大海原で、暇を持て余す海賊の親分は部屋で読書をしていました。
甲板では同じように暇を持て余す部下たちが、
酒おあおり宴会騒ぎです。
避けの話もつけた部下たちは、度胸試しとばかりに、
高いマストの上に帽子をぶら下げ取りに行くという遊びをします。
部下たちは上から2番目のマストからだったかな?
部下たちに紛れ、海賊の親分の息子が同じく度胸試しをします。
周りに囃し立てられ、息子は舐められまいと
マストの頂上に帽子を掲げてもらいます。
マストをぐんぐん登りついに頂上近くまで上り詰め
ふらつきながら帽子に手をかける息子。


父親である親分は、読書にもあき、カモメを撃ちに甲板に上がります。
その時はしゃぎまくる部下たちと、マスト頂上にいる自分の息子を見てぎょっとします。
親分は『今すぐ海に飛び込まねえと、銃で撃ち殺す』と怒鳴ります。
部下たちはあわてて海に飛び込み、息子も帽子を捨てて飛び込みます。


さて質問。
何故父親は、皆に海に飛び込むように言ったのでしょうか?


答えは
「自分の息子が甲板に落ちて死んでしまわないよう、海に飛び込ませた」
です。
不器用な親御ごろというやつですね。
でも綾峰は答えを書いていると、見回っていた先生がぎょっとし
「それ本当にそう考えたのか?」と、まじまじと綾峰を見ます。
綾峰は何を言われたのか判らず「そうですけど・・」
と、応える。
授業は挙手での発言ですが、何故か綾峰も当てられます。


正解を答えていく他の生徒。
そして綾峰が指名されます。
綾峰の答えは「鳥を打つのに息子が邪魔だったから・・・」
周りにざわめきが起きます。
親御さんの中からもざわめきが・・・
ああ!俺は人の感情の読み取りが出来てない!!



その頃から、感情について考えないといけないという思いがありました。
だから文系を選んだというのもあるんですけどね(^^;


そして高校3年生。
進路決定の時期です。
そして・・最後のきっかけ。
それはまた明日です。


今回一番長くなったな・・・(−−;
でも、きっかけ話は次で最後かな?
明日から仕事です!
頑張ろう!